その他(お問い合わせの多いご質問)

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ICNIRPガイドラインでは、なぜ職業者ばく露の方が公衆より5倍ゆるいばく露制限の参考値なのでしょうか?
 職業者は、既知の条件下でばく露を受けており、また潜在的なリスクに注意を払いかつ適切な予防措置をとるための訓練を受けた成人です。一方、公衆はあらゆる年齢層、健康状態の人からなり、特に影響を受けやすいグループや個人が含まれる可能性があります。また多くの場合、公衆は電磁界ばく露に気づいておらず、ばく露を回避したり、最小とするための措置をとることは期待できません。よって、公衆の方が厳しいばく露制限となっています。
ICNIRPガイドライン(1998)の磁界ばく露制限値(周波数50ヘルツ(Hz)で100マイクロテスラ(μT)、60Hzで83μT)は、なぜ周波数により異なっているのでしょうか?
 50ヘルツ(Hz)ないし60ヘルツ(Hz)を含む低い周波数領域において防護すべきは、体内に誘導される電流に起因する悪影響です。4Hz~1キロヘルツ(kHz))の電磁界ばく露によりに誘導される電流の大きさは、一般公衆の場合で一律2ミリアンペア毎平方メートル(mA/㎡)に制限されるべきとされています。
 しかし、外部磁界がばく露された時に体内の誘導電流が2mA/㎡を超えているかどうかを確認することは非常に困難ですので、代替指標として体内に2mA/㎡の電流を誘導するのに必要な外部磁界で代替するという方法が取られます。
 外部磁界と誘導電流との関係は比較的単純な式で記述できます。ファラデーの電磁誘導の法則に従えば、半径rの円盤の導電率は一定でσ、周波数fで時間変動する磁界(磁束密度)Bがこの円盤に垂直に鎖交するとすれば、この円盤の最外周を流れる誘導電流密度Jは次式で表せます。
  J=πrfσB
 この円盤を人体の輪切りモデルと考えれば、ばく露される磁界Bの大きさが一定であれば、体内に誘導される電流密度は周波数fに比例することになります。逆に、体内の誘導電流を2mA/㎡の一定に保つためには、外部磁界を周波数に反比例する大きさで代替する必要があるということになります。これが、50ヘルツ(Hz)と60ヘルツ(Hz)で磁界ばく露制限値が異なる理由です。
WHOのファクトシート№322に記載されている「長期的影響」とは、どのくらいの期間のことですか?
 非常に強い磁界にばく露された時に瞬時に起こる影響が「短期的影響」ですが、この「短期的影響」以外を総称して「長期的影響」と言います。
送電線や配電線などの電力設備から発生する磁界の強さは、家電製品と同レベルと言われますが、使用時間が違うため同じように扱えないのではないでしょうか?
 確かに、一般に使用時間の短い家電製品と常時電気が流れている電力設備とでは、磁界が発生している時間は異なります。しかし、磁界は蓄積する性質はないとされていますし、健康への影響との因果関係が検証されているわけではないので、同じように扱えるのかどうかは明確にお答えすることができません。
 なお、疫学研究では、24時間から1週間程度測定した磁界の平均値を指標としています。この平均値の中には、家電製品、電力設備の両方から発生する磁界が含まれています。
鉄塔や送電線が大きくなると発生する磁界も強力なのでしょうか?
 一般的に、大型の鉄塔は電線も太く流せる電流は大きくなります。一方、送電線や鉄塔の規模が大きくなると、電線地上高も高くなり地表からの距離は離れます。
 送電線からの磁界の強さは電流の大きさに比例し、電線(磁界の発生源)からの距離の概ね2乗に反比例する性質がありますので、電流値よりも磁界発生源からの距離が大きく影響します。したがって、地上付近の磁界の強さは必ずしも鉄塔や送電線の規模によるわけではありません。
全ての家電製品から電磁界が発生しているのでしょうか?また、家電製品の電源を切れば電磁界は発生しないのでしょうか?
 電圧がある場所には電界が発生します。また、電流が流れている場所には磁界が発生します。したがって、家電製品をコンセントにつないだ状態で電界が発生します。さらに、家電製品を使用している状態では磁界も発生します。電磁界とは、電界と磁界をあわせて言ったものですので、家電製品を使用すれば常に電磁界が発生していると言えます。
家電製品別の電磁界の発生状況を知りたいのですが?
 財団法人家電製品協会の調査報告(平成19年度 家電製品から発せられる電磁界測定(10Hz~400kHz)調査)の中で、家電製品別の測定結果が報告されています。詳細は同協会のホームページをご確認下さい。
家電製品を多く使用すると電磁界のばく露が大きくなるのでしょうか?
 確かに家電製品を多く使用すれば、それだけ電磁界が発生しますが、電磁界は距離とともに急激に弱まります。
家電製品から発生する電磁界の健康影響について教えてください。どのくらい離れれば安全なのでしょうか?
 どのくらい離れれば安全という基準はありません。ただし、家電製品から発生する磁界の強さは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が示したガイドラインの磁界ばく露制限値(周波数50Hz、60Hzで200μT)に比べ十分に低い値となっています。また、磁界の強さは電流の大きさに比例し、発生源からの距離に反比例する(距離を2倍離すと磁界は4倍小さくなる。)という性質がありますので、通常の生活環境において複数の家電製品を使用している状況においても、ICNIRPガイドラインの磁界ばく露制限値を超えることはないと考えられます。
 どうしても気になるようであれば、使用中の家電製品やその電源ケーブルから離れれば、磁界ばく露は小さくなります。
IH調理器とラジエンドヒーターはどのような違いがあるのでしょうか?
 それぞれ温める仕組みが違います。IH調理器は誘導加熱という原理で、周波数20~90kHzの電磁界により直接鍋を温めるものです。一方、ラジエントヒーターは調理器に設置されたニクロム線を加熱し、その熱を鍋に伝える方式です。
携帯電話の健康影響に関する研究結果の公表が予定されていると聞きましたが、どのような内容がどのようなスケジュールで公表されるのでしょうか?
 携帯電話の使用とがんの関連についての国際的な疫学研究(インターフォン研究)が、世界保健機関(WHO)の付属機関である国際がん研究機関(IARC)を中心に実施され、日本を含む13 カ国の研究データをもとにした分析・評価の研究報告が2010年5月17日に公表されました。詳細は、以下でご覧になれます。
 ≪携帯電話使用と脳腫瘍のリスクに関するインターフォン研究報告の公表並びに世界保健機関(WHO)ファクトシート№193「電磁界と公衆衛生:携帯電話とその基地局」の更新(新名称:ファクトシート№193「電磁界と公衆衛生:携帯電話」)について≫
  この研究報告の原著論文、公的機関のコメントなどは、以下でご覧になれます。

 ≪携帯電話使用と脳腫瘍のリスクに関するインターフォン研究報告に関する諸機関の見解等について≫

 なお、この分析・評価が終了した後に、WHO が高周波電磁界(電波)ばく露による全ての健康リスクを評価する予定です。最終的な評価の公表時期は2013 年頃の見込みです。
隣の家で無線LANを使用しているのですが、健康への影響はないでしょうか?
 世界保健機関(WHO)が公表しているファクトシート№304(基地局および無線技術)によれば、これまで集められた研究結果を考慮すれば無線ネットワークからの弱い無線周波が健康に悪影響を生じるという科学的根拠はないと結論付けています。
 また、日本では、電波を発生する機器は全て電波法で規制されておりますので、無線LANについても「電波防護指針」に基づき、電波の強さが基準値を超えないようになっています。
⇒参考資料
☆ 総務省 電波利用ホームページ 電波の利用ルール
携帯電話、携帯電話基地局や無線LANに関する規制はどのようなものでしょうか?
 携帯電話は「無線設備規則 携帯端末のSAR 規制」、携帯電話基地局は「電波法施行規則 無線基地局規制」で規制されています。無線LAN についても発信側と受信側で同様に規制されています。
 周波数が100 キロヘルツ(kHz)以上の電波にばく露された時の熱作用の評価にはSAR(比吸収率)が指標として用いられており、SAR には、「全身平均SAR」と「局所SAR」の2 つがあります。
 基準値は、熱作用として影響があるレベルに安全率を考慮して定められており、携帯電話基地局は全身平均SAR 値0.08W/kg、また頭のすぐそばで使用する携帯電話は局所SAR 値2W/kg(6 分間平均)と定められています。
携帯電話基地局からどのくらいの電磁界(電波)が出ているのか知りたいので、測定してもらえないでしょうか。もしくは、測定器を貸し出してもらえないでしょうか?
 電磁界情報センターでは、携帯電話基地局に関する電波の測定業務や測定器の貸し出しは行っていません。
太陽光発電設備を屋根に設置しようと考えていますが、電磁界の健康影響はないでしょうか?
 太陽光発電設備は、主に太陽光パネル、パワーコンディショナー、分電盤で構成されており、太陽光パネルで直流の電気を生成し、パワーコンディショナーで一般の家庭で使用している商用周波数(50 または60 ヘルツ(Hz))の電気へ変換して、分電盤につながっています。
 太陽光パネルで直流の電気が生成されると、その周辺に静電界、静磁界が発生します。静電界、静磁界の健康影響について、世界保健機関(WHO)は、環境保健クライテリア№232(静電磁界)及びファクトシート№299(静的な電界および磁界)を公表しています。
 一方、パワーコンディショナーは、直流の電気を交流の電気へ変換している機器ですが、いわゆる照明器具やエアコンで用いられている一般的なインバーター(交流直流変換器)と同じ種類の電気機器です。従って、パワーコンディショナーから発生する電磁界の健康影響は、家電製品と同等程度と考えられます。
ハイブリッド車、電気自動車は電磁界を発生するのでしょうか。どのくらいの磁界の強さなのでしょうか?
 ハイブリッド車(ガソリンエンジン+バッテリー、モーター)も電気自動車も電気を使用しますので電磁界が発生します。磁界の強さについては、2009年6月に開催された国際学会「BioEM2009」(欧州生体電磁気学会と米国生体電磁気学会の共催)において、ハイブリッド自動車と電気自動車の磁界のばく露評価についての報告がありました。その報告によると、直流から100ヘルツ(Hz)までの周波数帯について測定した結果、「平均的なばく露はICNIRPが定めるガイドラインの一般公衆に対する参考レベルの5%以下、最大値は同レベルの15%程度である』となっています。
電磁過敏症、電磁波過敏症とは何でしょうか?
 世界保健機関(WHO)が公表しているファクトシート№296(電磁過敏症)によれば、電磁過敏症の最も一般的な症状は、皮膚症状(発赤、チクチク感、灼熱感)、神経衰弱庄、自律神経系症状(倦怠感、疲労感、集中困難、めまい、吐き気、動機、消化不良)であり、電磁界のばく露に関連すると訴える方がいるのは事実です。
 ただし、調査者及び本人に分からないように電磁界をばく露させたりさせなかったりして、症状や電磁界ばく露の有無を自覚できるかというダブルマスキング法の研究結果からは、このような症状と電磁界のばく露は関連しないことが分かっています。
 電磁界とは関係しない環境因子、職場や生活環境でのストレス、電磁界の健康影響を恐れるストレス反応が関連する可能性が示唆されています。
電磁過敏症かもしれないのですが病院で診断してくれるのでしょうか。また、何科で診断してくれるのでしょうか?
 電磁過敏症は、正式な診断名称ではなく、あくまで呼称にすぎません。また、電磁界に起因したものとして科学的に証明されていないため、正確な診断もできません。このため、電磁過敏症の対策が立てにくいのが現状で、残念ながら、具体的に受診を推薦できる診療科はありません。ただし、心理的なストレスが原因である場合は、内科、あるいは心療内科で対応してもらえると思われます。
電磁界を防護する具体的な対策はあるのでしょうか?
 電磁界を防ぐ物理的な対応策はあります。しかし、実際に対策を施す費用は非常に高価となり現実的とは言えません。
 電磁界の性質は周波数によって違い、電磁界を防ぐという立場からは、約100キロヘルツ(kHz)までの低い周波数と約100キロヘルツ(kHz)以上の高い周波数に分けられます。
 高い周波数では、電界と磁界が相互に誘導しあって電波として拡散しますので、電界又は磁界のどちらかを阻止すれば、その先への拡散は阻止することができます。導電性の材料(電気を通しやすい材料)で周りを囲ってアースを設置することでシールド効果を得ることができます。
 一方、低い周波数の場合には電界と磁界を別々に扱います。磁界を防ぐ方法としては、高透磁率材料(磁力線を透しやすい電磁純鉄やパーマロイなどの合金等)で囲ってしまう方法があります。電界については高い周波数の場合と同じです。しかし、どちらの場合も囲われていない部分があれば磁界の透過や電磁界の回り込みが起こり十分な効果は発揮されません。
電磁波防護グッズ(電磁波エプロン、カーテン、携帯電話フェライト等)がインターネットなどで出回っていますが、効果はあるのでしょうか?
 個別の商品については、データを保有していないため正確なお答えができませんが、一般に、低い周波数の磁界を遮へいできるような効果がある商品はほとんどないと思われます。
近くに電車が走っていて、電車が通るとパソコンの画面が歪むが、どうしてなのでしょうか?
 電車が通過する際、き線や電車から発生する電磁界が、電子ビームにより描画を行うディスプレイ装置(ブラウン管テレビやパソコン)の画面に影響を及ぼし画面が揺れることがあります。これは、磁界によってビームが曲げられ結像位置がずれるためです。
最近ペースメーカーを入れましたが、MRIなどを受診することは可能でしょうか。何か注意することはありますか?
 MRIなどの強い磁界を発生する医療機器は、ペースメーカーの誤動作を引き起こす場合があります。受診の際は、医療機関にご相談頂く方がよいかと思います。
携帯電話の電波でペースメーカーは誤作動を起こすのでしょうか。また、IH調理器や空港のゲートなどはどうでしょうか?
 携帯電話が一定の距離(15cm程度)に近づくと、一部のペースメーカーでは誤動作を起こす場合があることが過去の実験で確認されています。詳細は、総務省ホームページ「電波の医療機器への影響に関する調査結果」電波環境協議会ホームページ「医用電気機器への電波の影響を防止するための携帯電話端末等の使用に関する指針」などをご確認下さい。
 IH調理器については、説明書の注意事項を遵守下さい。また、空港のゲート通過時は、ペースメーカーを装着している旨を係員に申し出て下さい。
近所の家から電磁波が発信されており私の家を狙っています。また、音が聞こえてきて怖い思いをしています。原因をつきとめて安心したいのですがどうすれば良いのでしょうか?
 電磁界を測定することは可能ですので、調査機関に依頼して電磁界の発生源や種類を調査・測定すれば原因が分かるかもしれません。
 なお、電磁界自体から音は出ません。また、故意に電磁界を発生させて攻撃するようなことは技術的にも経済的にも大変なことです。電磁界以外の別の原因について考えることも問題の解決に近づくのではないでしょうか。
思考介入について教えて下さい。現在の最新技術では可能なのでしょうか?
 脳の活動について、生体磁気を応用した技術としては、fMRI(機能的磁気共鳴画像)を用いて脳内の血流変化に伴う血液の磁性の変化から脳の神経活動を視覚化するものと、TMS(経頭蓋磁気刺激) による医療への応用技術が知られています。
 しかし、思考介入という言葉の意味を、「他人の思考に対して、外部から非接触(電磁界を照射するなど)の方法で、あたかも本人が考えたように他の情報をインプットできる技術」とするならば、そのような技術を確認することはできません。
思考盗聴について教えて下さい。私は思考盗聴されています。
 脳波から、外的あるいは内的な事象に対して事象関連電位を得ることができます。つまり、頭皮に貼り付けた電極から脳内の電気信号を読み取り、人間の思考や行動によって生じる電位のパターンとの関連付けにより、人間の思考や行動を計測することができるという技術はあります。
 しかし、思考盗聴という言葉の意味を、「外部から非接触(電磁波を照射するなど)の方法で、人間の思考を読み取ることができる技術」とするならば、そのような技術を確認することはできません。