電磁波の性質

電磁波の性質

電磁界とは?電磁波とは?
 「電界」と「磁界」をあわせていったものが「電磁界」です。「電界」は電圧がかかっているものの周りに発生しますし、「磁界」は電気が流れているものの周りに発生します。
 電磁界は私たちの身の周りのいたるところに存在していますが、目には見えません。電磁界は家電製品や電力設備など電気を使用する全てのものから発生しますし、また、テレビやラジオ、携帯電話などは、電磁界(電波)を利用して情報通信を行っています。
 自然界にも電磁界は存在しています。電界は大気中の雷雲の形成によって発生します。静電気も電界によって起こる現象です。また、磁界は磁石の周辺に存在します。地球がつくる磁界(地磁気)の発生により方位磁石は北の方角を示し、鳥や魚は方角を知るのです。
 電磁界は周波数が高くなると、電界と磁界が絡み合うようにして、次々と波として遠くに伝わる性質が強くなっていきます。この波のことを「電磁波」といいます。
 ただし、電磁界情報センターでは、周波数に関わらず、電界と磁界をあわせたものはすべて「電磁界(英語表記ではEMF:Electromagnetic Fields)」と定義し、周波数の高い電磁界については、無線通信など波としての利用を表現する場合にのみ「電磁波」あるいは「電波」という用語を用いることにしています。
 例えば、送電線や家電製品などから発生する電磁界も「電磁波」と呼ばれることもありますが、これらから発生する電磁界の一つの波の長さは5000km~6000kmにもなるため、普通の生活空間で考えた場合、波としての性質はほとんど無視することができます。よって物理的観点からは「電磁波」ではなく「電磁界」と呼ぶほうが適切と考えています。(※一般の方々への分かりやすさの観点から、各種イベント広告やプレゼンテーションにおいては「電磁波」と呼ぶ場合もあります。)
電界とは?
 電気のある空間(場所)を電界といいます。電界は電圧差が生じることで発生します。例えば、コンセントにプラグが差し込まれた家電製品の電源コードのまわりには、製品のスイッチがON(入)になっていなくても電界が発生しています。
 一般に電界の強さは距離とともに急激に弱くなります。
磁界とは?
 磁気のある空間(場所)を磁界といいます。磁界は電気が流れることで発生します。家電製品はスイッチがON(入)になって初めて磁界が発生します(ただし、待機電力が必要な製品はスイッチをONにしなくても若干の磁界は発生しています。)
 一般に磁界も距離とともに急激に弱くなります。
電磁界の種類と作用
 電磁界は、電離放射線と非電離放射線に分けられます。送電線や家電製品などから発生する超低周波電磁界、IH調理器などから発生する中間周波電磁界、テレビ放送や携帯電話などの通信に利用される高周波電磁界(電波)などは全て非電離放射線に属しています。また、エックス線やガンマ線などは極めて高い周波数の電磁波で、細胞を構成する分子の原子結合を破壊することによって電離作用(プラスやマイナスに荷電された原子や分子を生成すること)を起こさせるのに十分な光子エネルギーを持っているので、電離放射線と呼ばれています。
 非電離放射線は、電離放射線のような物質に衝突して原子から電子を引き離す能力(電離作用)を持ちません。したがって、ばく露されても細胞内の遺伝子に悪い影響を与えることはありません。
 電磁界(電磁波)のエネルギーは、下の表のように波長が長いほど小さくなります。
       《粒子としてのエネルギーの比較》
粒子としてのエネルギーの比較
自然界に存在する電磁界
 代表的な例としては地磁気や落雷の放電によって発生する磁界が存在します。地磁気の大きさは場所によって異なります。赤道付近では約30マイクロテスラ(μT)、北極や南極では約60マイクロテスラ(μT)です。ただし、地磁気は磁界の向きが常に一定の静磁界といい、電力設備から発生する磁界のように磁界の向きが変動するものとは異なります。また、落雷による放電の電流は数十~数百キロアンペア(kA)となり、その近くでは瞬間的に非常に大きな磁界が発生します。
 一方、電界は電気を帯びた微粒子(電荷)によって作られます。冬の乾燥した日、セーターなどを脱ごうとしてパチパチと音がする静電気は、電界の作用によるものです。
電界・磁界の単位
 電界の強度を表す単位はボルト/メートル(V/m)、磁界の強さを表す単位としては、アンペア/メートル(A/m)が用いられます。
 ただし一般的に、磁界の強さとは磁束密度(単位面積当たりに通っている磁力線の量)を意味しており、その場合は、テスラ(T)、ガウス(G)が用いられています。テスラとガウスの関係は、
   1G=100μT(1ガウス=100マイクロテスラ)
   1mG=0.1μT(1ミリガウス=0.1マイクロテスラ)
です。SI単位系による磁界の強さを表す単位はテスラ(T)です。