電力設備
電磁界の性質
発電所で発電した電気は、変電所や送電線を通して家庭まで届けられます。変電所や送電線など、電力設備からは50ヘルツ(Hz)ないし60ヘルツ(Hz)の電磁界(超低周波電磁界)が発生しています。
健康影響
瞬時的な(短期的な)影響
電力設備などから発生する超低周波電磁界をあびると体の中を電気が流れます。普通の生活環境であびる数百倍にあたるような強い電磁界をあびると、その影響で神経や筋肉の活動がさまたげられることがあります。さらに強い電磁界では、心臓の働きに影響を与えることがわかっています。しかし、普通の生活環境において、そのような強い電磁界は存在しません。したがって、送電線・変電所からの磁界が健康に悪影響を及ぼすことはないと考えられます。
長期的な影響
磁界
平均で0.4マイクロテスラ(μT)以上の磁界を浴び続けると、小児白血病の発生率が2倍に増加するという統計的な関係が示されています。しかし、生物学的メカニズムや動物実験での根拠は見つかっていません。したがって、全体として小児白血病に関連する証拠は、因果関係と見なせるほど強いものではありません。また、その他の病気への影響については、小児白血病に関連する証拠よりもさらに弱いと言われています。
電界
普通の生活環境において人体の健康に影響を及ぼすことはないと考えられます。
規制関連
電界について
高圧送電線については、「3キロボルト/メートル(kV/m)以下になるように施設しなければならない」と法律で定められています。 ただし、この規制は健康影響の防護を目的としたものではなく、高圧送電線の下を通る際に、不快な電界を感じること(ピリっとする感じ)を防止するためのものです。
磁界について
電力設備(送電線、配電線、変電所、発電所など)から発生する磁界について、200マイクロテスラを規制値とすることが省令で定められ、平成23年10月1日に施行されました。
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