架空配電線から発生する電磁界

電界の強さは、電圧、配電線からの距離、電線の位置関係によって決まります。電圧は常に一定なので、電界の強さは変化しません。
磁界の強さは、電流、配電線からの距離、電線の位置関係によって決まります。電流は電力需要により時々刻々と変化しますので、それにともない磁界の強さは変化します。

電力量の推移

地中配電線から発生する電磁界

電界は地表上に発生しません。この理由は、ケーブル内部に電界を遮へいする金属シース(Sheath:鞘(さや))が使用されているためです。また、地中に埋設されていることも遮へい効果を生みます。
磁界の強さは、電線同士が接近した状態で埋設されているため、各電線からの磁界が打ち消し合うことで小さくなる傾向があります。しかし、地中配電線の位置は地表から浅く架空線と比べて地表までの距離は短いため、磁界は大きくなる傾向もあります。よって、一概には架空線と地中線でどちらの磁界が強いかは評価できません。

柱上変圧器から発生する電磁界

柱上変圧器

配電柱の上部に設置している変圧器からも、電磁界が発生します。

路上変圧器から発生する電磁界

路上変圧器

路上変圧器は鉄製の箱に格納されているため、箱内の機器からの電界は遮へいされますが、磁界は遮へいされません。配電線に比べて一般の人が接近できるため、人が受ける磁界は強くなる傾向があります。

ケーブル立ち上がり部から発生する電磁界

ケーブル立ち上がり部

ケーブル立ち上がり部は地中配電線と同じく、ケーブル内部に金属シースが使用されているため、電界は遮へいされますが、磁界は遮へいされません。路上変圧器と同じく配電線に比べて一般の人が接近できるため、人が受ける磁界は強くなる傾向があります。

路上変圧器などから発生する磁界の測定例

「総合資源エネルギー調査会原子力安全・保安部会 電力安全小委員会 電力設備電磁界対策ワーキンググループ報告書」に公表されている磁界測定結果を下記に示します。

対象設備 測定箇所数 磁界の最大値[µT] 測定位置
架空配電線(柱上変圧器) 11 1.13 地表1m
路上変圧器 63 124.4 設備表面
地表0.5m
ケーブル立ち上がり部 14 144.0 ケーブル表面
地表1.5m

(現在の磁界規制値=200マイクロテスラ)

次に、路上変圧器、ケーブル立ち上がり部からの距離と磁界の強さとの関係は、下図のようになります。

発生源からの距離と磁界レベルのグラフ

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