電磁界の単位はその周波数の範囲[▶I(2-3)]によって違います。

低周波電磁界

電界強度を表す単位はボルト/メートル(V/m)、磁界強度を表す単位としてはアンペア/メートル(A/m)が用いられます。ただし、一般的に磁界強度とは磁束密度(単位面積当たりに通っている磁力線の量)を意味しており、その場合は、テスラ(T)、ガウス(G)が用いられています。
ここで、磁束密度を B、磁界強度を H とすると、この両者は次式の関係が成り立ちます。

 B(T)=μrμ0×H(A/m)
   μr:媒体の比透磁率(空気中は1)、
   μ0=4π×10-7(H/m):真空の透磁率

たとえば、磁界強度が 0.2(A/m)の場合の磁束密度は、以下のとおりとなります。

 B=1 × 4π×10-7×0.2
   =0.25×10-6(T)
   =0.25(µT)

なお、テスラとガウスの関係は、以下のとおりです。

 1G=100µT(1ガウス=100マイクロテスラ)
 1mG=0.1µT(1ミリガウス=0.1マイクロテスラ)

現在は、SI単位系による磁界強度を表す単位はテスラを標準的に使用していますが、以前に製造された磁界測定器はガウス表示のものも多くあります。なお、米国等では現在もガウスを使用しています。

高周波電磁界

高周波電磁界の強さは、電界強度(V/m)、磁界強度(A/m)または、1平方センチメートルの空間を通過する電波の電力を表す電力束密度で示します。電力束密度を使用する理由は、高周波電磁界の波長が短く、電界と磁界が一体化しているためです。電力束密度で用いられる単位は、ワット/平方メートル(W/m2)です。
ここで、電界強度を E、磁界強度を H、電力束密度を S とすると、次式が成り立ちます。

 S(W/m2)=E(V/m)×H(A/m)=E2/377=377H2

たとえば、電力束密度が 2W/m2 の場所は、電界強度が 27.5V/m、磁界強度は 0.0728A/m になります。

また、携帯電話端末からの電磁界の強さは、身体が電磁界にばく露されることによって単位質量の組織に単位時間(6分平均)に吸収されるエネルギー(SAR 値)で表され、単位はワット/キログラム(W/kg)を用います。

接頭語

それぞれの単位には、その大きさを表すための下表に示す接頭語が用いられます。

小さい方
10-3 m ミリ
10-6 µ マイクロ
10-9 n ナノ
10-12 p ピコ
10-15 f フェムト
大きい方
103 k キロ
106 M メガ
109 G ギガ
1012 T テラ
1015 P ペタ

その他に、電磁界に関する主な単位を下表に示します。

物理量 単位 呼び方




長さ m メートル
質量 kg キログラム
時間 s
N ニュートン
仕事・エネルギー J ジュール
電力・仕事率 W ワット



電圧・電位・起電力 V ボルト
電界 V/m ボルト毎メートル
N/C ニュートン毎クーロン
電流 A アンペア
電流密度 A/m2 アンペア毎平方メートル
抵抗 Ω オーム
導電率 S/m ジーメンス毎メートル
電荷・電束 C クーロン
電束密度 C/m2 クーロン毎平方メートル
静電容量 F ファラッド
誘電率 F/m ファラッド毎メートル
物理量 単位 呼び方




起磁力・磁位 A アンペア
磁界 A/m アンペア毎メートル
磁束・磁荷 Wb ウェバー
磁束密度 T テスラ
G ガウス
インダクタンス H ヘンリー
透磁率 H/m ヘンリー毎メートル


周波数 Hz ヘルツ

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