当センターでは皆様に正しい情報をお届けするためにニューズレターの発行やメールマガジンなどを配信しています。
- これ知ってる?
商用周波磁界へのばく露と小児白血病との間に、現在のところ因果関係は科学的に認められていません。しかし、仮に因果関係があると仮定した場合、どの程度の子どもたちが過剰に小児白血病を発症することになるのでしょうか。
推定によれば、磁界ばく露による小児白血病の過剰発症者数は、年間で約3.6人とされています。
このリスクは果たして大きいといえるのでしょうか。それとも……。
私たちの身の回りには、さまざまな発がん性物質が環境中に存在しています。これらに対しては、国民の健康を守るために、国が濃度の上限を定めた「環境基準」が設けられています。
このような環境基準の策定では、「ある物質へのばく露がもたらす発がんリスクが、ある一定の確率以下であれば、実質的に安全とみなせる」という考え方、すなわち「実質的安全量」という概念が導入されています。なお、どの程度のリスクであれば“実質的に安全”と判断するかは、科学的な評価に加え、最終的には行政上の判断によるものです。
日本をはじめ欧米諸国では、一般的に「生涯の発がんリスクが10万人に1人(=1×10⁻5)未満」であれば、実質的に安全と見なす基準とされています。
では、そのような基準に基づく発がんリスクは、実際に年間でどれほどの患者数になるのでしょうか。日本全国の人口規模を前提とすると、答えは年間15人未満となります。
したがって、仮に磁界と小児白血病に因果関係があるとした場合の過剰発症数(年3.6人)は、国の環境基準における「実質的安全量」が想定する発がんリスクの、およそ4分の1程度と推定されます。
もっと知りたい場合は、以下にお進みください。
https://www.jeic-emf.jp/public/web_mag/news_letter_2/newsletter-09.html