直流送電線から発生する磁界の測定

静磁界の測定には、JIS(日本産業規格)に従い、定期的な校正により測定値が正しい値を示すことを確認している測定器(株式会社エムティアイ製FM-3400A)を使用しました(図4)。また、測定する高さは、JISに従い地上1メートルとし、架空送電線の真下や地中ケーブルの真上など、全部で38か所を測定しました。金属製の物の近くでは正しい値が出ないため、それらが周りにない場所を選んで測定しました。

直流送電線から発生する磁界は、時間的に磁界の方向が変化しない「静磁界」で、地球から発生している「地磁気」と同じ種類となります。電磁波の種類について詳しくは こちら をご覧ください。日本の地磁気の大きさは約46マイクロテスラ(µT)ですが、地域によって異なります。詳しくは、国土地理院のウェブサイト(https://www.gsi.go.jp/buturisokuchi/geomag_index.html)で確認することができます。直流送電線から発生する静磁界と地磁気は、それぞれが方向をもっていて、足し合わさったり、逆に弱まったりします。測定された値はそれぞれを分けて測定することができないため、両方が合わさったものになります。

磁界測定器
図4 測定器の構成
(エムティアイ製 FM-3400A)
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