日本における居住環境中の超低周波磁界ばく露による小児白血病発症数の推定

Estimation of excess number of childhood leukemia patient due to exposure to residential ELF magnetic fields in Japan

一般財団法人電気安全環境研究所 電磁界情報センター 大久保 千代次
東京女子医科大学衛生学公衆衛生学(ニ) 山口 直人

発表学会: 第83回 日本衛生学会学術総会 (2013/3/24~26) ポスター発表 

 

【目的】

WHOは2007年の環境保健クライテリア238で超低周波(ELF)磁界ばく露と小児白血病に関連する証拠から因果関係を否定し、仮に因果関係があった場合でも、全世界的には、ELF磁界ばく露が公衆衛生に及ぼす影響は限定的であるとしている。そこで、仮に両者に因果関係があったとして、我が国での磁界ばく露が原因とする患者数の推定を行った。

【方法】

Kabutoら(2006)に基づいて我が国における0.4μT以上の居住環境に住んでいる小児の割合を算出し、これにAhlbomら(2000)のプールで指摘されている、0.4μT以上の小児白血病罹患数のオッズ比と、地域がん登録全国推計によるがん罹患データより過去33年間の小児白血病推定罹患数から、我が国での磁界ばく露が原因とする患者数の推定を行った。また、全国の電力消費量推移と小児白血病罹患率推移を比較した。

【成績】

Kabutoらの報告では、対照群の0.4μT以上の居住環境にいる小児の割合は0.8%、Ahlbomらの示すオッズ比は2.0、地域がん登録全国推計によるがん罹患データの10年間の小児白血病推定罹患数は平均490名より、磁界ばく露が原因とする患者数は、毎年3.9名と計算された。また、1998年から2007年の全国の電力消費量は、1975年から10年間に較べて1.93倍に上昇したが、罹患率のそれは、男子で19.0%、女子で29.1%それぞれ減少した。

【結論】 

仮に因果関係があった場合、ばく露により毎年3.9名の小児白血病が発症すると推定された。また、過去33年間の小児白血病罹患率と電力消費量には関連性は認められなかった。

【添付資料】

資料1