米国連邦通信委員会(FCC)委員長が現行のRFばく露限度の維持を提案

2019.8.13掲載

米国連邦通信委員会(FCC)は2019年8月8日、FCCの現行の無線周波(RF)ばく露限度の維持についてのAjit Pai委員長の提案を発表しました。

この提案はまた、個々のサービスに対するFCCの現行の一貫性のない規則のパッチワークに代わり、サービスまたは技術にかかわらず、限度の遵守を保証するための一律のガイドラインを確立するものです。加えて、Pai委員長は、高い周波数の装置について、RFばく露基準への遵守を判定する現行の方法を公式化する規則の確立に対するコメント募集も提案しています。

FCCの工学・技術室のJulius Knapp室長は次のように述べています。「FCCは、食品医薬品局(FDA)及びその他の保健当局との密接な協議において、無線周波[ばく露]限度を制定しています。記録及びこれらの当局との協議の徹底的なレビュー後、我々は、携帯電話に対して世界で最も厳格な、現行の無線周波[ばく露]限度を維持することが適切であるということを見出しました。」

FDAの装置・放射線衛生センターのJeffrey Shuren所長がFCCに対して書面で述べているように、「これまでに入手可能な科学的証拠は、現行の[ばく露]限度での、またはそれより低いばく露によるヒトの健康への悪影響を支持しておらず」、また「現時点では現行の基準の変更は是認されません」。

この提案の主な要点は以下の通りです。

  • 現行の基準を維持する:これは、現行のRFばく露限度を維持し、それによって、現行のRFばく露限度を強化または緩和するかどうかについて公的なインプットを求めたFCCの2013年の照会通知[Notice of Inquiry]を解消するものです。
  • RF基準の遵守を判定するための一律の規則を確立する:これは、RF基準に遵守しているかどうかをどのように評価するか判定するため、周波数、距離、及び電力についての科学に基づく尺度を用いて、サービスまたは技術にとらわれず、一律のガイドラインを確立するものです。
  • 特定の周波数に対する現行の基準の適用を公式化する:これは、高い周波数で動作する装置についてRFばく露基準への遵守を判定するFCCの現行の判定方法を公式化するための規則の確立についてコメントを求めるものです。

この発表の原文は、以下のURLで確認できます。
https://docs.fcc.gov/public/attachments/DOC-358968A1.pdf

関連情報:

「米国連邦通信委員会のパブコメ募集」
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/20130409.html

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