スイス連邦環境運輸エネルギー通信省(DETEC)の作業部会が「移動無線と電波」についての報告書を発表

2020.2.6掲載

スイス連邦環境運輸エネルギー通信省(DETEC)の学際的作業部会が、「移動無線と電波」についての報告書を発表しました。
この報告書は、第5世代移動通信(5G)の技術的特徴、同国における移動無線ネットワークとそれに関連した規制、非電離放射線への人々のばく露の推定、健康影響についての科学的知見についての要約をまとめています。

同作業部会はこの報告書で、以下の措置を提言しています。

  • 法令施行の際の単純化及びハーモナイゼーション:移動通信設備の承認及び検査の単純化及びハーモナイゼーションのため、その承認の根拠となる非電離放射線法令[スイスにおける関連法令]の基礎的項目及び過程の実施を、最新のものに修正・更新することが望ましい。
  • ばく露及び健康への影響のモニタリング:非電離放射線へのばく露、ならびに人々に生じるかも知れない健康影響のモニタリングを実施しなければならない。そのようなモニタリングは既に連邦参事会[内閣に相当]によって委託されており、現在準備中である。
  • 人々に対する情報提供及び認識向上:議論の客観性を促進する上で、情報は重要である。但し、この文脈では、この情報を人々にわかりやすい形で伝えることが必須である。個々の移動無線設備について公的に入手可能な情報によって、人々がこの技術を受け入れやすくなる、ということが想定される。モニタリングから得られる情報は、これを有用に補うものとなり得る。
  • 移動無線と健康に関連した研究の促進:科学的不確かさの観点から、本作業部会は、更なる研究の実施を勧告する。研究の支援は多くの面で良い結果につながる。政治的に敏感な領域における科学的知識のギャップを埋め、健康関連リスクに対する早期警戒システムとして機能し、広く受け入れられているプレコーショナリ対策としての連邦及び各州によるネットワークとコミュニケーションの拡張を支援し、非常に速いスピードで発展している技術セクターにおけるスイスの研究スキルを担保することになる。
  • 非電離放射線環境医学アドバイスセンター:独立した非電離放射線環境医学センターの設立も勧告する。このことは、非電離放射線またはその他の環境要因が自身の体調不良の原因と考える人々についての、学際的な環境及び関連する医学的研究を、医学的コントロールの下で実践することになる。
  • 意見交換プラットフォーム「移動無線と健康」:連邦及び各州の当局、通信業界、医学団体、環境保護団体、ユーザーとの意見交換プラットフォームの導入を推奨する。その目的は、新興技術または開発についての、全ての利害関係者間の相互の意見交換と情報提供である。利害関係者との対話は、本作業部会で開始されたように、移動無線分野での新たな進展に関して時宜を得た形で継続することが望ましい。

この報告書の全文(独語)及び要約版(英語)は、以下のURLから入手可能です。
https://www.bafu.admin.ch/bafu/de/home/dokumentation/medienmitteilungen/anzeige-nsb-unter-medienmitteilungen.msg-id-77294.html

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