全米科学アカデミー(NAS)が米国在外大使館での健康問題は
指向性パルス化RFエネルギーによる可能性が高いとする報告書を発表

2021.01.05更新
2020.12.08掲載

全米科学アカデミー(NAS)は2020年12月5日付で、「在外大使館の米国政府職員とその家族における病気の評価」と題する報告書を発表しました。

2016年にキューバのハバナにある米国大使館、その後中国の広州にある米国領事館の職員とその家族が、 騒音、耳の痛み、頭部の激しい圧迫感や振動、めまい、視覚障害、認知障害等の異常な症状に見舞われ、 その多くが今でも健康問題に苛まれているという事案が発生しました。 米国国務省は、その潜在的原因を確認し、海外で職務にあたる公務員に健康リスクについての情報を効果的に提供し、 短期的および長期的な健康問題のスクリーニング・未然防止・治療のための最善の医学的措置を決定するため、 NASに助言を要請しました。今回のNASの報告書は、この要請に応えたものです。

NASの調査委員会は、これらの健康問題についてのもっともらしい原因を調査する上で、 指向性パルス化無線周波(RF)エネルギー、化学物質、ジカウィルス等の感染症、 心理学的問題の可能性を検討しました。この報告書は、指向性パルス化RFエネルギーが、 これらの症例、特に明確な初期症状を説明するメカニズムとして最も可能性が高いようである、 と述べています。但し、調査委員会は、その他のメカニズムが存在する可能性を排除することはできない、 としています。また、個々の症例のばらつきが極めて大きいことと、 一人ひとりの健康状態や個人情報にアクセスできなかったことから、評価は困難であった、という点に言及しています。

この報告書には、在外公館の職員とその家族の安寧に対する将来の脅威への対応を強化するため、国務省が講じるべき対策についての幾つかの推奨事項が盛り込まれています。

本件に関する報道発表、ならびに報告書原文は、それぞれ以下のURLから入手可能です。

なお電磁界情報センターでは、NAS報告書の一部について、日本語訳し、全米科学工学医学アカデミーズの許諾を得てホームページに掲載しました。 NAS報告書の部分訳をご希望の方は以下から入手可能です。

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