WHOがRF電磁界と健康リスクについてのタスクグループメンバーの募集を発表

2021.10.27掲載

世界保健機関(WHO)は2021年10月21日付で、高周波(RF)電磁界と健康リスクについてのタスクグループのメンバーとして参加する専門家を募集すると発表しました。あわせて、当該タスクグループ、募集対象の専門家のプロフィール、応募方法および選出プロセスについての情報を提供しました。

この発表の内容は以下の通りです。

背景:

RF電磁界(100 kHzから300 GHzまで)へのばく露は1950年代以来、徐々に増加し、これには当初はラジオ・TV放送用信号、より最近ではワイヤレス技術が含まれます。RFばく露の特徴は時間と共に変化していて、世界中での新技術の発展により更に変化すると予想されています。ワイヤレス技術は世界中のすべての国々で見られ、多くの発展途上国では主な通信手段として固定回線ネットワークではなくワイヤレス技術を利用しています。RF電磁界ばく露はどこにでも存在し、ますます増加していることから、それによるヒトの健康への悪影響があるかどうかを確立し、可能な限り健康リスク評価を実施することが重要です。

WHOのレビューの目的および望まれるインパクト:

WHOはこの必要性に対処するため、一般公衆および労働者の集団におけるRF電磁界ばく露の潜在的な健康影響を評価するプロジェクトを進めています。入手可能な証拠の分析および合成は、WHOの「環境保健クライテリア(EHC)モノグラフ」シリーズの一つとして刊行される予定です。これには、複数の健康結果(がん、生殖への負の結果、認知障害および各種症状)ならびに生物学的結果(加熱および酸化ストレス)に関連する、スコーピング報告および委託による一連の系統的レビューによって情報が提供されます。

タスクグループの役割:

WHOの科学的評価のプロセスに即して、タスクグループは以下においてWHOを支援します。

  • RFばく露の健康健康についてのスコーピング報告の草案をレビューし、結論を導く
  • スコーピング報告および系統的レビューの結論に基づき、各々の健康結果についての全体的な健康リスク評価をEHCモノグラフにまとめる
  • 国の優良実践的介入を編纂する
  • 研究のギャップを同定する

タスクグループは、オンラインおよび/または実地での会合を通じて事務局を支援し、科学的文言および結論についての情報を書面で提示します。タスクグループには、バーチャルまたは実地での全体会合を少なくとも年に2回(通常それぞれ2~3日)開催することが期待されます。メンバーには、その途中での電話会議を求められることがあります。このプロジェクトは2022年12月に終了すると予想されています。タスクグループの作業に用いられる言語は英語です。

タスクグループのメンバーとしての適格規準:

タスクグループは、多くの学問領域にわたり、広範な技術的知識、技能および経験を有するメンバーで構成されます。
タスクグループのメンバーは、少なくとも以下の分野の一つにおいて、洗練された技術的知識と、文書化された経験を有していなければなりません。

  • RFばく露および/または関連する健康結果についての疫学
  • RFばく露および/または関連する健康結果についての実験研究(ヒト、動物、細胞)
  • RFばく露評価およびRFドシメトリ
  • 健康リスク評価の手法
  • 公衆衛生および放射線防護における政策立案

タスクグループのメンバーは、レビュープロセスにおける中立性、独立性または客観性を損なう重要な利益相反を有していてはなりません。この点において、応募者には「WHOの専門家に対する利益相反宣言書」の提出が求められます。また、WHOがタスクグループのメンバー候補者をリストに入れるには、(その人物の経験、専門性および動機、ならびにその他の規準についてのWHOの評価に加えて)利益相反がない、または同定された利益相反が適切に管理可能であるとWHOが判断するかどうかに依存します。

参加意思表明の提出方法:

「RF電磁界と健康リスクについてのタスクグループ」への参加を申し込むには、2021年11月30日(ジュネーヴ時間で深夜24時)までに以下の文書を、件名を “Task Group on RF” として<emfproject@who.int>宛にEメールで提出してください。

  • 応募の動機、および選出規準を満たすことを示す表紙
  • WHOのひな型を用いた最新の履歴書(学歴、関連する業務経験、関連する査読付き論文を含む)
  • WHOの専門家としての利益相反宣言書(DOI)
  • 守秘義務に関する同意書

書類提出後、WHOが応募者の参加意思表明をレビューします。相当数の応募が見込まれることから、メンバー候補者リストに掲載された人物のみに回答します。

選出プロセスについての重要な情報:

各々の履歴書は、応募者が資格を満たし、上述の当該分野に関連する専門性を有するすかどうかを評価するためにレビューされます。利益相反宣言書もレビューされます。宣言書で開示された、何らかの潜在的な、または認識された利益相反は、選択プロセスにおいて考慮されます。営利組織の代表者が専門家として奉仕することはできません。

タスクグループのメンバーの選出は、以下の(排他的ではない)規準に従い、WHOの独自の裁量で実施されます:関連する技術的専門性、コミュニケーション技術、異なる文化的背景および志向を有する人々と建設的に作業する能力。タスクグループのメンバーの選出には、異なる地域、およびジェンダーの多様性の側面についての必要性も考慮されます。

WHOは選出された人物の氏名および小伝を、タスクグループの第1回目の会合の前にウェブサイトに公表します。

タスクグループのメンバーは全員、個人的な専門能力において奉仕し、いかなる政府、いかなる営利企業または団体、いかなる研究・学術または市民社会組織、あるいはその他のいかなる団体・組織または機関を代表するものであってはなりません。メンバーには、WHOの「専門家に対する行動規範」に完全に従うことが期待されます。タスクグループ会合を電子的に実施することが期待されます。必要な場合、タスクグループのメンバーの会合参加のための旅費および滞在費は、適用可能な方針、規則および手順に従ってWHOが負担します。タスクグループのメンバーには謝礼金は支払われません。

WHOは、影響を受ける応募者に責任を負わず、影響を受ける応募者にその理由を通知する義務を負うことなく、いつでも参加意思表明を受理または拒否し、公開募集プロセスを無効化し、全ての意思表明を拒否する権利を留保します。WHOは、タスクグループの設置を進めないこと、既存のタスクグループを解散させないこと、またはタスクグループの作業を改変しないことを、いつでも決定することができます。

WHOは、いかなる方法でも、参加意思表明がどのように評価されたかを明らかにしたり、応募者と協議したり、評価/選出プロセスに関連するその他の情報を提供したり、メンバーに選出しない理由を述べたりする義務を負いません。

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