欧州議会が「欧州におけるがんとの闘いの強化」についての決議を採択

2022.2.28掲載

欧州連合(EU)の立法機関の一つである欧州議会は2022年2月16日付で、「欧州におけるがんとの闘いの強化についての決議‐包括的で調和の取れた戦略に向けて」を採択しました。

この決議は、がん撲滅のための特別委員会の設置等に関する、欧州議会のこれまでの様々な活動による44の決定・文書等を受けたもので、放射線・紫外線、大気・水質・土壌汚染、ヒトパピローマウイルス・B型肝炎ウィルス、喫煙、座りがちな生活習慣といった、がん関連の作用因子30項目を検討し、がんの防止、知識の共有、資金確保のための196項目にわたる広範な対策を盛り込んでいます。

そうした対策のうち、電磁界については以下のように述べています。

Q項[JEICによる注記:作用因子として検討された30項目のうちの17番目]
国際がん研究機関(IARC)が2011年、携帯電話の使用に関連した神経膠腫[悪性の脳腫瘍の一種]のリスク上昇に基づき、高周波電磁界をヒトに対して発がん性があると分類したこと;
全ての年齢層で20年間(1995~2015年)に神経膠芽腫[悪性の脳腫瘍の一種]が有意に(2倍を超えて)増加していることが2015年および2018年に発表された研究で示されていること、
また、18~80歳の人々における携帯電話およびコードレス電話の使用に関連した神経膠芽腫のリスク上昇が別の研究で示されていること;これらの関連するリスクを確立するには更なる研究が必要であることから;

27.[対策として盛り込まれた196項目のうちの27番目]
欧州委員会[EUの執行機関]に対し、電磁界の長期的な影響についての科学的証拠を集め、その研究の結果についての情報を一般市民にタイムリーに提供するため、5G[第5世代移動通信]を含む電磁界とがんとの間のつながりの存在についての学際的な科学研究を推進することを要請する;高周波電磁界ばく露を低減する技術の開発に向けた研究の促進を求める。

この決議の原文は、以下のURLから入手可能です。

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