オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)が
第5世代携帯電話(5G)ネットワークと健康についての声明を発出

2019.03.25掲載

オーストラリア放射線防護・原子力安全庁(ARPANSA)は2019年3月20日付で、 第5世代携帯電話(5G)ネットワークについて、「5Gの安全基準、健康影響の証拠についての我々の理解、更なる研究の必要性は変わっていません」との声明を発出しました。

ARPANSAは、携帯電話から発せられるものを含む電波へのばく露を制限する安全基準を制定しており、 そのばく露限度値は、人体への有害性が生じ得るレベルよりも十分に低く設定されています。 5Gネットワークで用いられる周波数も、この安全基準に含まれています。 オーストラリアでは、電波を発する5G設備及びデバイスはオーストラリア通信・メディア監督局(ACMA) によって規制されていますが、電波放射レベルはARPANSAの安全基準に適合することが求められています。

この声明は、ARPANSAの安全基準の限度値以下のばく露レベルでは、 「集団または個々人への非常に低い電波ばく露によって健康に悪影響が生じるということを支持する科学的証拠は確立されていない」 というのが、ARPANSAならびに世界保健機関(WHO)や国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)等の国際機関の評価である、としています。

ARPANSAの評価・助言部門の副部長で、電波の人体影響の専門家であるKen Karipidis博士は次のように説明しています。

「5Gは携帯電話及びその他のワイヤレスネットワーク上のデバイスに、 より広範な周波数での接続を提供するものです。 当初は、現行の携帯電話ネットワークの周波数帯域を用い、その後、より高い周波数帯域に移行します。 この周波数帯域では、人体組織への電波の吸収深度は浅くなります。 その結果、大半のエネルギーは皮膚に吸収され、そこでの加熱が主な影響となります。 5Gのより高い周波数帯域におけるARPANSAの安全基準のばく露限度値は、皮膚表面や眼部の過剰な加熱を予防するために制定されています。 今日、私たちの社会では、例えば空港のセキュリティ装置、警察のスピード違反取締レーダー、リモートセンシング、 医療分野において、様々なデバイスやアプリケーションで、より高い周波数帯域が利用されています。 ARPANSAは、更なる研究が必要な知識の欠如があることを認識しており、6 GHzを超える周波数帯域についての研究といった、 更なる研究が必要な分野に対する勧告を発出しています。知識の欠如はあるものの、 ARPANSAの安全基準のばく露限度値以下では、電波ばく露による健康影響は予想されていません。 ARPANSAは、オーストラリア国民に向けた助言を提示するため、5G及びその他の新規技術についての入手可能な研究のレビューを継続します。」

この声明の原文は、以下のURLで確認することができます。

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