基準とガイドライン
数多くの国内機関と国際機関が、職業環境および居住環境でのEMFばく露の限度値を示したガイドラインを制定しています。WHOが正式承認した非政府組織である国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP) のEMFばく露の限度値は、熱的作用と非熱的作用を含めた全てのピアレビューを経た科学論文をレビューした上で作成されました。この基準は、健康に影響を及ぼすことが確立されている生物学的作用の評価に基づいています。WHOによるレビューの主要な結論は、ICNIRP国際ガイドラインで勧告された限度値を下回るEMFばく露が健康にして既知の影響をもつことはないようである、ということです。
国際EMFプロジェクトはEMFへのばく露を制限する全世界的な基準データベースを編纂しました。
世界中のEMF基準に違いがあることで、新技術の導入によって生じるEMFばく露に対する一般市民の不安の増大を引き起こしています。そのため、WHOは全世界の電磁界(EMF) 基準を調和させるプロセスを開始しました。国際EMFプロジェクトに参加している54ヶ国と8つの国際機関をもってすれば、世界各国に呼びかけてEMF基準を調和させるための枠組みを作成し、全ての人々に同一水準の健康保護を提供するばく露限度値およびその他の管理措置の作成を促すまたとない好機になります。
健康に基づくEMF基準を策定するための枠組み

各国の限度値と国際的なガイドラインとの間に大きな差があると、規制当局や政策策定者の困惑を大きくし、一般市民の不安を増大させることになります。このようなことが動機となって、WHOは健康に基づくEMF基準を策定するための枠組みを構築しました。
この枠組みは、科学に基づく定量的なEMFばく露制限をどのように策定するかという課題に取り組んでいます。この文書は、新しいEMF基準の策定や既存基準の再検討を行っている各国の諮問機関や規制当局のために作成されています。
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Framework for developing health-based EMF standards 英語版PDF
法律モデル

国際EMFプロジェクトでは加盟国からの要請に応える形で法律モデルを作成しました。これは、非電離放射線の防護プログラムを実施するための法律の枠組みを提供するものです。
この法律モデルは立法者に広く受け容れられている慣行にしたがったものであり、特定の懸念分野に対処するため、必要な場合には、管轄の大臣に規制、命令、条例を発行できる権限を付与する法令を含んでいます。この法律モデル構成は、「法令モデル」、「規制モデル」、法令とその規制の提出に至った経緯を記述した「解説書」から成っています。
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Model Legislation for electromagnetic fields protection 英語版PDF