RRG評価:800-1900MHz規格携帯電話機の無線周波電磁界への
胎仔期ばく露はマウスの神経発達と行動に影響する【2012.3】

対象論文

論文のタイトル Fetal Radiofrequency Radiation Exposure From 800-1900 MHz-Rated Cellular Telephones Affects Neurodevelopment and Behavior in Mice (800-1900MHz規格携帯電話機の無線周波電磁界への胎仔期ばく露はマウスの神経発達と行動に影響する)
著者 T S Aldad, G Gan, X-B Gao, H S Taylora
掲載学術誌 SCIENTIFIC REPORTS | 2 : 312 | DOI: 10.1038/srep00312(2012)

学術誌サイエンティフィック・レポーツに論文「800-1900MHz規格携帯電話機の無線周波電磁界への胎仔期ばく露はマウスの神経発達と行動に影響する」が掲載されました(2012年3月)。

この論文では『マウスをモデルとして、子宮内での携帯電話機無線周波電磁界へのばく露が成長後の行動に影響するか否かを検証し、子宮内ばく露を受けたマウスは、物体認識試験、明暗箱試験、ステップダウン試験の結果、多動的で記憶障害が認められた。妊娠中ばく露のリスクを明らかにするためには、ヒトまたはヒト以外の霊長類での更なる研究が必要である。』(要約)と述べられています。

電磁界情報センターでは、学術専門家グループ(Rapid Response Group;RRG*1)から、この論文に関する評価を得ましたので、以下に紹介します。

  • RRG:電磁界情報センターが組織する専門家ネットワーク の一部で、海外の専門家からなる科学論文レビューグループ

「800-1900MHz規格携帯電話機の無線周波電磁界への
胎仔期ばく露はマウスの神経発達と行動に影響する」に対する著者の訂正

学術誌サイエンティフィック・レポーツに訂正「800-1900MHz規格携帯電話機の無線周波電磁界への胎仔期ばく露はマウスの神経発達と行動に影響する」が掲載されました(2013年2月)。

研究の骨子には直接に係わらない細部のことと判断し、訂正があったことのみ紹介いたします。
訂正されたのは、2012年の論文の図4の誤りです。同図は、ばく露群と対象群の母マウスにおける血中コルチコステロン濃度を比較したものです。両群の値は69.91、69.94ng/mlであり、統計学的有意差は見られなかったと報告していました。今回、保存してあった血液標本を再測定した結果、これらの値は6.1、5.4ng/mlであることが確認されたので、訂正したいということです。両群に有意差がないことに変わりはないと述べています。

上記に記載の論文の概要は、電磁界情報データベースで閲覧が可能です。

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