電子レンジは、スイッチ1つで加熱でき、料理の温め直しはもちろん、食材の下ごしらえや調理時間の短縮など、現在では1家に1台あるといってもいい程に普及しています。

また、火を使わない安全性や、近年ではガスコンロよりもエネルギー効率が良いとも言われている便利家電のひとつです。

電子レンジの仕組み

電子レンジは、マイクロ波帯の2.45GHz(ギガヘルツ)の電波(マイクロ波)を照射して、極性をもつ水分子などがマイクロ波のエネルギーを吸収して振動・回転することで、温度が上がり、その熱により食品を加熱します。

サンプル

電子レンジで使用するマイクロ波の人への影響

電子レンジのマイクロ波は、食品を温めるため出力が500-1000Wと大きいですが、マイクロ波が電子レンジの内部に確実に閉じ込められるように、扉に網状のものが取り付けられています。また扉をあけるとマイクロ波の照射が停止し、電子レンジの外へ漏れないように設計されています。このため、電子レンジの周りのマイクロ波の大きさは、国際非電離放射線防護委員会(ICNIRP)が公表する国際的なガイドラインのばく露制限値よりも非常に低い値となり、通常の使用では電子レンジから漏れるマイクロ波が健康に影響を及ぼすことはないと考えられます。

電子レンジで調理された食品の安全性

「電子レンジで調理した食品は放射能を含んで危険だ」という声を時々聞きますが、WHOの情報シート「電子レンジ」には以下のように書かれています。

『メーカーの取扱説明書に従って使用する限り、電子レンジは安全です』、『電子レンジで調理された食品は、オーブンで調理された食品と同じように安全であり、栄養価も変わりません。』『誤った理解をしないために重要なことは、電子レンジで調理された食品が「放射性物質」になることはないとしっかり理解することです。さらに、電子レンジのスイッチを切った後、レンジ庫内にも食品にもマイクロ波エネルギーが残存することはありません。この点に関しては、ちょうど電球を消した時に光が残らないように、マイクロ波の振る舞いはまさに光と同じです。』

したがって、電子レンジで調理した食品が健康に悪影響を及ぼすというようなことはありません。

規制関連

電子レンジから漏れるマイクロ波の強さについては、電気用品安全法電波法施行規則にそれぞれ規定があります。

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