スウェーデン放射線安全庁(SSM)第18次報告書

スウェーデン放射線安全庁(SSM)は、「電磁界と健康リスクについての最近の研究」に関する第18次報告書(2023年)を公開しました。

報告書は、電磁界ばく露の健康への影響についての最新の研究をまとめたもので、SSMの科学評議会が作成しています。

その目的は一般の人々に電磁界と健康に関する最新の知識への理解を促進することです。

2024年9月に発表された第18次報告書は、2022年1月から12月の間に発表された電磁界と健康リスクに関する研究をまとめています。科学評議会は、メンバー合意の上で、これまでの同じ報告書シリーズの見解を踏まえて最新情報を原則毎年更新し、必要があればSSMにアドバイスを行っています。


以下に電磁界と健康リスクに関する要約を紹介します。

現時点で、電磁界ばく露と健康リスクとの間に新たな因果関係は確認されていません。

  • 50Hz・60Hzの低周波磁界と小児白血病との関連性は一貫して報告されていますが、因果関係の有無は不明のままです。
    脳腫瘍と携帯電話使用の関係については、リスクは認められていません。ただし、甲状腺がんに関する研究は不足しています。
    動物実験では特定条件下での影響がみられますが、一般化は困難です。弱い電波ばく露による酸化ストレスの影響については、今後の調査が必要です。
    複合的なばく露条件では、電磁界を感知するしきい値が単独ばく露よりも低いことが明らかになりました。
    現行のばく露基準は変更不要ですが。弱い電波での影響もあるためスウェーデン環境法のプレコーション的考え方を継続するのは大事です。
    携帯電話使用で脳腫瘍リスクは増えていませんが、長期影響の不確実性があるためハンズフリー使用を推奨します。
    小児白血病との関係に新たな証拠はなく、既存の一般への磁界ばく露制限を継続します。
    中間周波数のリスク評価は不足しており、今後の研究が必要です。
    今年も質の低い研究は除外しました。今後は信頼性の高い研究が求められます。

  • もっと知りたい場合は、以下にお進みください。
    https://www.jeic-emf.jp/academic/info/20241113.html

    他にJEIC NEWS 71号にも詳しく紹介していますので、以下からご確認ください。
    https://www.jeic-emf.jp/general/assets/files/pr/JEICNEWS_71.pdf

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