携帯電話のばく露限度と市民へのより良い情報提供についてのフランス政府の対策

2019.10.30掲載

フランスの環境・連帯移行省、連帯・保健省、経済・財務省は2019年10月25日付で、「携帯電話のばく露限度と市民へのより良い情報提供についての政府の対策」と題する報道発表を発出しました。

上述の三省は、国立食品環境労働衛生安全庁(ANSES)が10月21日付で発表した「身体近傍に装着される携帯電話によって生じるかも知れない健康影響」についての意見書で示された勧告に従い、念のためのアプローチとして以下の対策を講じることを決定しました。これらの対策は、国家周波数庁(ANFR)の支援により実施されます。

1) フランスは欧州委員会に対し、新たに市販される携帯電話についての要求事項の強化を求める。ANSESの勧告にあるように、フランス政府は、認証試験における携帯電話と測定装置との間隔を、ユーザーの実際のばく露を反映するため、現行の5 mmではなく接触状態とするよう求める。
2) ANFRはユーザー向けの情報を強化するためのツールを開発する:
 - ユーザーが自身の携帯電話の型式からの電波放射について容易に知ることができるようにするため、携帯電話のアプリケーション "Open Barres" を年末までに完成させる。
 - 携帯電話使用時の推奨間隔を、ANFRのウェブサイト(data.anfr.fr)と"Open Barres" アプリケーションに示す。製造者からの良好な協力が得られるという条件で、これを年末までに利用可能とする。
3) 政府は、最近のより制約の強い電波放射規格が適用されるより前に市販された携帯電話のソフトウェアをアップデートするための自発的なプロセスを実施するよう、主な製造者をまとめる。
4) 市販の携帯電話のANFRによる管理を、2020年に30%まで増加させる。

また、ユーザーに対し、携帯電話使用時の電波ばく露低減のためには以下の6つの対策があることを想起させています。
1. ハンズフリーキット(イヤホンマイク)を使う
2. テキストメッセージ(メール)を使う
3. 受信感度の良い場所を選ぶ
4. 交通機関の中では携帯電話を耳にあてがうのを避ける
5. 比吸収率(SAR)の低い携帯電話を選ぶ
6. 長時間の通話を避ける

この報道発表の原文(フランス語)は、以下のURLから入手可能です。
https://solidarites-sante.gouv.fr/actualites/presse/communiques-de-presse/article/le-gouvernement-agit-pour-limiter-l-exposition-aux-emissions-de-certains

関連情報:

「フランス国立食品環境労働衛生安全庁(ANSES)が身体装着型の携帯電話の健康影響についての意見書を発表」(2019.10.23掲載)
https://www.jeic-emf.jp/academic/info/12894.html

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