米国国家情報長官室が「ハバナ症候群」についての報告書の概要を発表

2022.2.4掲載

米国の国家情報長官室(ODNI)は2022年2月2日付で、米国の在外公館職員らが影響を受けた「異常な健康事象(AHI)」(いわゆる「ハバナ症候群」)の潜在的な因果関係のメカニズムを解明するため、国家情報長官室(ODNI)および中央情報局(CIA)が合同で招集した専門家委員会の報告書の概要を発表しました。

この専門家委員会は、米国政府の内部および外部に所属する、科学・医学・工学の関連分野の専門家で構成されています。同委員会は、機微情報やAHIの事例報告などに関する数十件の説明と1000件以上の機密文書の提供を受けました。また、影響を受けた人々の個々の経験と医学的記録についての情報も共有しました。委員会のメンバーの専門分野は以下の通りです。

  • 聴覚
  • 生物学
  • 環境
  • 電離放射線
  • 医学
  • 精神医学/心理学
  • 高周波

同委員会は、以下の6つの所見を提示しました。

  • AHIの兆候および症状は実際のもので、説得力がある。
  • AHIの一部は、既知の環境的または医学的状態では容易に説明できず、外部の刺激によるものであった可能性もある。
  • パルス化電磁エネルギー(特に高周波領域)が、報告されたAHIの中心的な特徴のもっともらしい説明であるが、情報の欠落がある。
  • 超音波もAHIの中心的な特徴のもっともらしい説明であるが、これは近接シナリオに限定され、また情報の欠落がある。
  • 心理社会的要因だけではAHIの中心的な特徴を説明できないが、他の一部の事象の原因、あるいは長期的な症状に寄与しているかもしれない。
  • 電離放射線、化学的または生物学的作用因子、超低周波音、可聴音、長距離を伝播する超音波、電磁エネルギーからの大規模加熱はいずれも、他の相乗的刺激がなければ、AHIの中心的な特徴の説明としてもっともらしいものではない。

米国政府は、治療を必要としている人々に対するその手段の提供と、国民向けの情報開示を継続する、としています。

専門家委員会の報告書についてのODNIの報道発表、ならびに報告書概要の原文(伏字箇所あり)は、以下のURLから入手可能です。

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